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ウミウシは新種発見の可能性大
新種の発見は永遠のロマン
新しい天体、未知の洞窟、古代の化石、動物や植物の新種の発見・・・「新発見」と聞くと誰しもが心躍り、無限の未来が広がっていた子供の頃の気持ちがよみがえります。
しかし、様々な科学技術の発展とともに、素人が新発見をすることは難しくなってきました。
でも、夢を捨ててはいけません。ダニやクモなどでは、まだまだ新種発見の可能性が残されているといいます。
とはいっても、ダニ?クモ?・・・そんなの嫌だ!多くの人はそう思うでしょう。
でしたら、断然お勧めなのが「ウミウシ」です。
種類の多いウミウシ類は国内1400種も
ウミウシは貝殻を持たない貝の仲間で、そのカラフルな外観から「海の宝石」といまで呼ばれています。
写真集が販売されていたり、観察ツアーが企画されたりと、ダイバーたちには人気のウミウシですが、実は、ウミウシ類は分からないことが多いのです。
国内で確認されているだけで1400種にもおよび、あまりにも種類が多いことから、まだまだ新種発見の可能性が残っています。
このことから、もしかしたら名づけ親になれるかもしれない、とウミウシに夢を抱く人が多いのです。
環境省も調査に乗り出す
環境省は、2018年夏から「ウミウシ調査」を開始。土佐清水市の竜串ワンで約384種の生息を確認。
このうち106種には学名がついておらず、研究を勧めれば新種になる可能性もあるといいます。
近年のウミウシ新種騒動
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和歌山県で新種らしきウミウシやナマコ続々(2016年)
2016年、和歌山県白浜町の京都大学白浜水族館が展示のために海底から採取した132種の生物を調べたところ、ウニ類、ウミウシ類、クモヒトデ類、ナマコ類などの9種は新種の可能性が高いことが分かったというのです。
このことは、2016年7月28日付け産経WESTが報じていますが、その後の鑑定結果については、情報がありませんでした。気になりますね。
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水族館の予備水槽に謎のウミウシ現る(2017年)
2017年に、三重県の「志摩マリンランド」の予備水槽内に突如として現れた不思議な物体は、当初「ウミウシの新種では?」と騒がれました。
本日のお昼頃に投稿したウミウシのツイートに対し、沢山の返信、RT、いいねをして頂き、ありがとうございます!
— 志摩マリンランド(公式) (@shimamarineland) November 20, 2017
スタッフ一同、これほど反響があるとは思っておらず、大変驚いていますΣ(゜ロ゜)!!
動画もありますので、よろしければ、ご覧ください。 pic.twitter.com/R0hcs20iRb
結局、このウミウシは、学名「Cuthona perca」という外来種だと分かりました。大型船の船底、バラスト水などに交じって日本に来たのではないかと思われています。
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北海道で新種のウミフクロウを捕獲(2019年)
北海道の噴火湾(内浦湾)の豊浦町沖で10月に捕獲したウミウシの仲間が「ウミフクロウ」の新種らしいと、2019年11月16日付け北海道新聞がと報じました。
2019年10月、渡島管内森町の漁師が豊浦町南方沖約10キロの海中に仕掛けたエビかごに珍しいウミウシに似た生物が入っているのを発見し、豊浦町の貝類博物館「貝の館」に持ち込んだのだとか。
ウミフクロウの特徴に近いウミウシでありましたが、ウミフクロウの場合、下あごの突起部分が1列に並んでいるのに対し、この個体は2列になっていることから、新種と判断、遺伝子検査などを経て、同館の学芸員が論文を発表する予定。
国内のウミフクロウ族の新種は、1925年(大正14年)に神戸で発見されて以来94年ぶりの大発見となります。
最後に
ダイビングを楽しむ人の多くが、美しいウミウシに魅せられていますが、魅力は美しさばかりではありません。ウミウシ類には、新種発見のロマンが残されているのです。
生物学史に残る発見を目指して、あなたも海に潜ってみませんか。