お刺身やお寿司に欠かせない薬味であるワサビ。栽培が最も難しいうえに十分に生育するまでに2年もかかります。
野生では、湿った場所を好んで生息することから、住宅街の近くで見かけることはあまり無いのではないでしょうか。
こちらはやっと春らしくなってきたところですー♪ 山ワサビの葉っぱーー pic.twitter.com/SywasIQOHe
— レクティ (@lecty216) 2016年5月15日
しかし、北海道では、公園や空き地に雑草と一緒に生えていて、住民は、気軽に引っこ抜いて晩御飯のお供にしているのです。
この記事では、その実態についてリポートします。
ワサビには「本わさび」と「西洋わさび」がある
栽培が難しいといわれるワサビが、北海道では、いたるところに自生していて、札幌や函館、旭川などの都市部を除くと、自宅の周りで、散歩の途中で、近所の公園で、手軽に採取できるというのです。
そのワサビは「山わさび」または「エゾヤマワサビ」と呼ばれ、分類上は「西洋わさび」のことです。
ローストビールに添える「ホースラディッシュ」といえば解りが良いでしょうか。
実家で母ちゃんが作ったローストビーフ食った~!山わさびは家の敷地に自生したやつwww pic.twitter.com/erJxsd6EHB
— あつや (@kiri0820) 2015年5月10日
なんと、自宅の敷地内に自生していた「山わさび」が食卓に乗るのですね。
ところで、市販のチューブわさびの原材料を見ると「西洋ワサビ」と書かれていることがありますが、それは「山わさび」と同じ種類で、日本の「本わさび」と区別されて表記されます。
チューブのワサビを使うときに、「あまり緑色が濃くないな」と思ったことはありませんか?原材料欄を見ると「西洋ワサビ」と記載されているはずです。
中には緑色に着色されている「西洋わさび」もあるようです。
「山わさび」は、繁殖力旺盛
「西洋ワサビ」は、フィンランド、東ヨーロッパが原産のアブラナ科の植物ですが、北海道では、野生化してどんどん増えています。
「西洋ワサビ」こと「山わさび」は、近所の原っぱに他の雑草とともに自生しています。
葉はスイバやギシギシなどと似ていますが、ギシギシのように成長しても赤黒い部分ができず、きれいな緑色をしています。
庭に自生していた「山わさび」を収穫❤
— deko&biko (@j10u0l8i2e4) 2016年6月8日
頑張ってすりおろしたらとんでもない量に‼‼
あちこちおすそ分けできそう\(^o^)/
目・鼻・喉がやられた~(T0T) pic.twitter.com/7aXmPhL0PM
繊細な「本わさび」と対照的に、かなりたくましく繁殖力旺盛な「山わさび」は、スーパーで買ってきて使い残したときなど、切れ端を畑に埋めておくだけで、簡単に増えるのです。 畑でなくとも土のあるところならどこでも良いでしょう。
ローストビーフやイカ刺しに合う
「山わさび」は「西洋ワサビ」のことですから、ローストビーフなど欧米の料理に添えられますが、和食にも問題なくなじみます。
イカ刺しには、ワサビやショウガを添えることが多いですが、北海道の居酒屋では、山わさびが登場する頻度が高いです。辛みがとんがっている山わさびのほうが、イカには合うようです。
ラーメン屋さんのサイドメニューで「山わさび飯」
筆者が住んでいる北海道では、ラーメン店のサイドメニューに「山わさび飯」を見かけることが多いです。
個人的な感想としては、ラーメンに合うというよりは、地域性を演出した結果なのかなあ、と思います。
次の写真は、とあるラーメン店のものです。
ライスのラインナップの中に「山わさびご飯」が加えられています。当然「(辛)」との注釈が添えられています。
このラーメン店の「山わさびご飯」は、
醤油漬けにしてある「山わさび」なので茶色いですが、すりおろしたばかりは白い色をしています。
山わさび関連商品が多い北海道
「山わさび」は、アメリカのイリノイ州が世界生産量の80%を占めているとのことですが、北海道でも、「山わさび」栽培農家があります。
瓶詰などの加工品もありますが、袋菓子にも幅広く「山わさび味」が使われていて、地域限定商品として引き合いがあるようです。
山わさび美味しいおね。北海道にはいっぱい自生してるって、じっちゃんがゆってた。 RT @piroyukitw 北海道のコンビニ、セイコーマートがなぜ「山わさび」を推してるのか。それは、食べてみないとわからないと思い、今食べてる。なるほど。鼻には抜けるw。 pic.twitter.com/r7MIJjqquo
— 川面梵児 (@hitukishinji) 2018年3月22日
北海道発のコンビニエンスストアー「セイコーマート」のオリジナル商品「山わさびラーメン」は、筆者も食べてみましたが、あっさりとした塩ラーメンは山ワサビとの相性バッチリです。
いかがでしたでしょうか。北海道では思った以上に「山わさび」が席巻しているのですね。
瓶詰はネット販売でも入手することができますので、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。
そして、北海道にいらした際には、ぜひ、道端や空き地で「山わさび」を探してみてください。