江戸時代の「百怪図巻」、「画図百鬼夜行」などに、顔が女性で体が蛇状の「蛇女」ともいえる妖怪が描かれているそうですが、仙台藩亘理伊達家の江戸時代の公式資料に「人が蛇になった」という信じられないような記録が残されていることが見つかったそうです。
grace7777minoriさんによる写真ACからの写真
伊達家の公式資料「寿台鏡」の1716年の記録
「人が蛇になった」という記録は北海道伊達市に所蔵されている資料「寿台鏡」に記されていたもので、ここには1630年(寛永7年)~1802年(享和2年)に起きた伊達家や国内の出来事を年代順にまとめてあり、同家の公式資料として扱われていたということです。
この中で、1716年(正徳6年=享保元年)5月の出来事に、「人が蛇になった」事件が記されているというから驚きです。
伊達家に伝わる資料「寿台鏡」によると、1716年3月5日の夜に現在の山梨県に住んでいた庄屋半左エ門という男の妻が蛇になってしまい、役人が蛇の大きさなどを確認したところ約2.8メートルの大きさがあった、ということが書かれているというのです。
このことは、2020年5月21日付けの北海道新聞(室蘭・胆振版)に掲載されたもので、伊達市教育委員会の学芸員の指摘で判明したとのことです。
デマと決めつけるのは早い?
先述の北海道新聞の記事の趣旨は、新型コロナウイルスに関するデマが広がったことと関連付け、「社会が不安定な時はうわさ話が広がりやすい」「根拠がない話を鵜呑みにしない」と綴っています。
この記事の中で、学芸員は、3月の出来事が5月に記録されていることや、他の資料に同様の記録がないことや、人が蛇になること自体ありえない、さらに検査をした役人の名前が記録されていないことなどを指摘しています。
しかし、以上の考察は記録が不十分であるということに過ぎず、この話がデマであることを決定づけるものではありません。
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