梅毒患者4千人超、5年で5倍に…増加要因不明 https://t.co/2xPIMMrdjz
— 読売新聞社会部 (@YOL_national) 2017年1月7日
2013年頃から日本国内で梅毒患者が急増しているということをご存知ですか?その状況と原因についてお知らせします。
2013年頃から国内の梅毒罹患者が急増
既に過去の病気のように思われている梅毒ですが、放置すれば死に至ることもある恐ろしい病気。 ペニシリンの開発により激減したという話は誰もが聞いたことがあると思います。
その梅毒が、再び流行しはじめているというのです。
各種報道や関係機関の発表等によると、2013年頃から東京や大阪などの首都圏を中心に患者数が増え、男性は20代から50代、女性は20代から30代の患者が多いということです。
梅毒の流行状況をご紹介。こちらは東京都における梅毒患者の推移です...『梅毒患者が増加しています!!』東京都健康安全研究センターが作成した都民向け情報リーフレットより https://t.co/IOZCGPszGT pic.twitter.com/LtwQabKwBS
— 今村顕史 (@imamura_kansen) 2016年10月4日
2018年のテレビ朝日の報道によると、患者数は年間6,000人を超え、1970年以来、48年ぶりの水準となったとのことです。
梅毒が急増した理由5つの説
獨協医科大学越谷病院泌尿器科准教授の小堀義友氏は、インターネットサイトの中で、梅毒流行の背景には2つの理由があると述べています。
1つ目は、医者と患者の梅毒への意識低下です。
病気を知る人が少ないことで初期症状を見逃し病気の発見が遅れると、また次の人へ感染する確率も高まります。
2つ目の理由は、外国人観光客の増加です。
現時点では確証的なデータは無いとのことですが、外国人観光客への性サービス業を行っている女性への感染を経由して日本での感染が増えたのではないかということです。
疫学調査がないため特定はできないのですが、2013年頃から梅毒患者が増加していることを考えると、外国人観光客の増加と一致します。また、多くの外国人観光客が、日本の性サービスを利用しているという報告があります。 引用/BuzzFeedNews
ノンフィクションライター百瀬直也によると、かつては外国人お断りだった風俗店も、不景気のあおりで仕方なく外国人を受け入れるようになり、感染リスクが高まったとか。 これらに加え、
3 不倫する主婦の増加
4 性交の低年齢化
5 アンダーヘアの処理
も影響しているのではと百瀬氏は推測しています。
陰毛の処理と感染リスクについては、衛生管理上の問題というより、処理している人ほど性交渉の回数が多いという関係性のようです。
3と5は、それほど大きな要因になりそうもありませんが、以上のことを裏付ける研究結果や事象などはあるのでしょうか。
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北海道では外国人観光客の急増と時期を同じく
北海道旭川市(旭川保健所管内)では、これまで、梅毒確認件数は年間0~1件程度でしたが、2015年に6件、2016年は25人と急増しています。
●旭川市で梅毒感染急増、今年既に6件 保健所「病院受診か相談を」 - 北海道新聞 - Google News Japanese - 04/14/2016
2016年6月旭川市役所のFacebookでも注意が呼びかけられています。
●旭川で梅毒患者急増 若年層の性交渉感染も 無料検査へ - 2017.9.6 5:00 北海道新聞
旭川保健所管内では、2017年は、9月4日の時点で15人の感染者が発生。 その後も、2017年18人、2018年には17人となっており、関係者は警戒を強めています。
外国人観光客の増加が一因では?と分析(旭川保健所)
2019年8月22日付けの北海道新聞(旭川・上川地方版)では、旭川保健所の話として「性風俗を利用する外国人観光客が増え、会員制交流サイト(SNS)の普及で不特定多数との性交も容易になったため」と見ており、HIVなど他の性感染症も増加傾向にあるといいます。
確かに、梅毒の急増と時期を同じくして急増しているのが、やはり外国人観光客の増加です。
特に北海道では、ここ10年で外国人観光客が5倍ほどに急増(年間70万人→300万人)しています。
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マッチングアプリ(SNS)との関連を調査
2019年5月発行の「現代性教育ジャーナル」(日本性教育協会)では、マッチングアプリ(出会い系SNS)利用率が高い県は梅毒感染率が高いという驚きの調査結果を発表しています。
国立感染症研究所のデーターによると、梅毒報告者数は、県により大きく差があり、東京・大阪は別格としても、例えば岡山県(10万人当たり8.86人)と島根県(同0.73人)では、10倍以上の開きがあります。
このことから、同協会では、梅毒報告者数とマッチングアプリの利用率との関係を調査したところ、マッチングアプリの利用率が高い都道府県ほど人口あたり梅毒の新規報告の割合が多い傾向が確認できたといいます。
一方で、梅毒患者数が増加している欧州のいくつかの国と合わせ、有病率の高い中国からの観光客の増加が一因ではないかという説について、比較的肯定的に紹介しているものの、人口あたりのべ外国人旅行数と梅毒罹患率の関係を直接裏付けるデーターは得られなかったとも言っています。
しかし、海外から流入した梅毒がマッチングアプリなどのSNSの関与によって、広がったのではないかという結論を導きだしています。
これは、先述の旭川保健所のコメントと同じです。
以上のことから、今のところの有力な説としては、外国人観光客によってもたらされた梅毒がSNSが関与した出会いによって広まったと解釈するのが妥当のようです。
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